ジェラシーの傷痕1

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ジェラシーの傷痕1



 消灯時間の見回りを終えて手塚が部屋に戻ると、ついさっきまで自分の部屋でおとなしくしていたはずの1年生レギュラー、越前がいた。
「何しに来た。消灯時間は過ぎているはずだぞ」
「知ってるっすよ。さっき、俺の部屋にも見回り来たじゃん」
 青春学園中等部男子テニス部一同は、夏合宿を兼ねて、某リゾート高原にある学園施設に来ていた。他の部員たちは相部屋や大部屋で雑魚寝だが、レギュラーだけは個室を使用できる。
 部長の手塚はもちろん、手塚の一存で仮入部期間からレギュラーを不動のものとしているこの天才少年も、1年生で唯一個室を与えられていた。
「わかっているなら、早く部屋に戻れ」
 この合宿終了後、全国大会が終わるまでは、部長は手塚だ。けじめはつけなければならない、と手塚は越前に告げた。が、この生意気な1年生はそう簡単に言うことを聞かない。
「やだ。だって、せっかく部長と二人きりになれるチャンスなのに」
 我が物顔で手塚のベッドに腰かけ、ぷい、と横を向いた。こうして拗ねている様子はまだ幼いが、口から出てくる言葉は大人顔負けである。
「わかってる、部長? 俺たちが二人きりになるの、すっごく久しぶりなんだよ」
 入部当初から、並みの才能ではないと気にかけていたこの越前が、手塚に好きだと告白してきたのはGW明けのことだった。

「likeじゃなくて、loveって意味で、部長のこと好きっす」

 別に断る理由も思い当たらず、恋人として付き合うようになった。一応デートもしたし、キスも何度か交わした。
 だからその夜。双方の家にはそれぞれの親がいて、なかなか二人きりという状況になりづらい越前が、消灯後という時間帯を狙って手塚の部屋に来たのは、当然といえば当然の成り行きだった。
「俺、部長のこと好きって言ったよね?」
 隣に座るように仕草で促され、手塚は越前の隣に腰を下ろした。身長を伸ばすために毎日牛乳を飲め、と強制されているにもかかわらず、一向に身長が伸びないこの新人は、隣り合わせに座っても手塚を見上げなければならない。
「ああ、そう聞いたが」
「だったら、いいよね?」
「……何がだ?」
 手塚には、越前が何を許可してほしいのか、理解できていなかった。
「キス。それ以上のことも」
 そう言って、越前が身を乗り出してきた。手塚の首に腕を回し、抱きついてくる。そのまま体重をかけられ、手塚は受け止めきれずに背中からベッドに倒れた。
「部長のこと、こうやって見下ろすのって、気分いいよね」
 満足げにそう言って、越前が唇を重ねてきた。初めから手塚を押し倒すつもりでいたらしい。
 越前の様子がいつもと違う。
 手塚が気付いたのは、ただ唇を重ねるだけのキスでは飽き足らなかった越前が、舌を差し入れてきた時だった。少し開いた手塚のシャツから手を差し入れて、直接肌に触れてくる。
「……っ、越前……?」
 越前の唇が、首筋を辿って鎖骨まで下りてくる。そこまでされて、ようやく手塚は越前がいいよね、と同意を求めてきたその意味がわかった。

 これは、つまり……、そういうことなのか!?

 常に冷静さを保つ、丈夫なはずの手塚の心が大きく乱れた。
 確かに、越前の告白に自分は頷いた。付き合ってくれと言われて、同意もした。抱き合ったことも、キスをしたこともある。
 が、これは。
「よせ、越前っ!」
 気付いたときには、手塚は越前を突き飛ばしていた。拒絶されて、放心している越前の体の下から抜け出して、ベッドから飛び起きた。
「部長……」
「俺は……そんなつもりはない」
「待ってよ、部長!」
 追いすがろうとする越前の声を振り切って、手塚は部屋を飛び出していた。



「……で、俺の部屋に来たってワケ?」
 電源を切ったノートパソコンを閉じて、乾はため息をついた。
 自分の部屋を飛び出した手塚は、半ばむりやり乾に部屋のドアを開けさせた。 乾は、翌日の練習メニューを作っていた手を休め、手塚を迎え入れた。 慌てた様子の手塚に、ただならぬものを感じていたのだろう。乾はひとまず手塚をベッドに座らせ、メニュー作りを一通り仕上げたところで、手塚から事情を聞いた。
「……ああ」
 頷いた手塚に、乾はまた一つ、ため息をつく。
「越前と付き合ってたわりには、プレーにも練習にも全然影響なかったみたいだけど?」
「テニスはテニスだ。いつも平常心でいなければ、ベストなプレーはできない」
「でも、本当に好きなら、そいつに気を取られたり、上の空になったり。そういうこともあるんじゃないの、普通は?」
「……俺は、越前を好きではなかった。そう言いたいのか?」
 知ったような口をきく乾を、手塚は睨みつけた。時には対戦相手をも萎縮させる手塚の睨みを、乾は受け流した。
「好きは好きでも、恋人として好きではなかった、ってことだよ、手塚。越前は君をloveって意味で好きだったかもしれない。でも、君はせいぜいlike止まりだったんじゃないか、ってね」
 分厚いレンズの奥の瞳が何を写しているのか、手塚にはわからない。が、乾は何もかもわかっているような、そんな口ぶりだった。
「……何故、お前にそんなことがわかる?」
「俺は誰よりも君を見てきた。……君があまりにも普通だから、越前と付き合ってることまでは、気づけなかったけどね」

 でも、俺が気づかなかったってことは、その程度だったってことだ。

 乾はそう続けた。 その時、乾の部屋のドアがノックされた。 消灯時間はとっくに過ぎている。いったい誰が? と乾と顔を見合わせると、ドアの向こうから声が聞こえた。
「乾先輩、起きてますか?」
 越前だった。
 手塚が部屋を飛び出してからは、かなりの時間が経っている。追うべきかどうか悩んで、悩んだ末に追いかけてきたらしい。
 手塚は、今更どんな顔をして会えばいいのか、わからなかった。
「先輩?」
 なかなかドアを開けない乾に、越前がもう一度呼びかけてきた。 どうする?と乾が視線で問いかけてくる。手塚は、思わずドアから視線を逸らした。
「こんな時間に何の用だい、越前? 消灯時間は過ぎてるはずだけど?」
「先輩こそ、起きてるじゃないっすか」
 乾は心得た、といった風情でドアへ向かった。ほんの少しだけドアを開けて、部屋の中が見えないように体で隠した。
「俺はいいんだよ。明日の練習メニュー作るから、って手塚に許可ももらってる」
「部長に?」
 手塚の名前に、越前は少し動揺を見せた。
「ああ。ただし、終わったらすぐに寝ろ、と念を押されたけどね。で、何の用かな?」
 改めて聞きなおした乾に、越前は口ごもった。
「用ってわけじゃないっすけど……」
「だったら、早く部屋に戻った方がいいよ。手塚や大石には黙っていてやるから」
「……わかったっす」
 乾は、消灯の見回り以来、手塚など見ていない、そんな体裁を繕っていた。 そして越前は、乾が手塚をかくまっていることを見抜けなかった。
 もっとも、乾の嘘を見抜けるのは、試合以外でも洞察力が鋭い不二くらいなのだが。
 いつもの生意気な口ぶりはどこへやら、といった様子で、越前は乾の部屋から立ち去ろうとした。踵を返そうとして、越前は一度乾を振り返った。
「あの、乾先輩」
「何だい?」
「……部長、見てないっすよね?」
「見てないけど。手塚がどうかした?」
「いや……見てないなら、いいっす」
「探してるなら、明日にした方がいいよ。規則破ったのがバレたら、明日グランド20周かそれ以上、走らされるよ」
「……はい」
 乾に促されて、越前は今度こそ乾の部屋から去って行った。その背中が小さくなるのを見送って、乾はドアを閉めた。
「帰ったよ。これで、いいんだろ?」
 ドアに鍵をかけながら、乾が手塚を振り返った。
「すまない、お前に嘘をつかせてしまって」
「構わないよ、これくらいはね」
 時計の針はすでに10時を回っている。規則破りには漏れなくグランド20周と、乾特製の野菜汁が待っているとわかっていて、部屋から出回る物好きは、もういないだろう。
 乾に釘を刺された以上、越前がここや、手塚の部屋を訪ねてくることも、もうない。
 手塚が乾に匿ってもらう理由も、なくなっていた。
「お前をだしに使ってしまって、悪かった」
 手塚はベッドから立ち上がり、部屋から出て行こうと乾の横へ並んだ。
「待てよ、手塚」
 ドアノブに手をかけようとした手塚を、乾が厳しい口調で止めた。ドアに伸ばした左手をつかまれて、手塚は乾に向き合う形になった。
「かわいい後輩に嘘をつかせておいて、お礼はそれだけ?」
「何が言いたい?」
 眼鏡の奥の目は、相変わらず何を考えているのか全く読めなかった。ただ、乾の口調と声に、手塚は危険な匂いを感じ取っていた。先ほどの越前より、ある意味でずっと危険だ。

 逃げなければ。

 頭の片隅で、そんな警鐘が鳴っていた。
「他の誰かのキスマークなんかつけて、俺の所に逃げ込んできた君が悪い」
 乾の長い指が、手塚の襟元に忍び込んできた。右の鎖骨あたりをなぞる指の感触に、手塚は弾かれたように乾を突き飛ばしていた。
 が、突き飛ばしたと思っていた乾の体は、少し後ろに動いただけだった。身長差は、わずか5センチ。だが、力は乾の方がはるかに上だった。 手塚は利き腕である左手をつかまれて、乾に引きずられるように、再び部屋の奥へと連れて行かれた。
「っ……!」
 手塚は、乱暴にベッドへ突き飛ばされた。ベッドの上に尻餅をついて、右肩から背中を壁に打ちつけてしまった。
「何の真似だ!?」
 声を荒げて睨み上げると、乾は平然としていた。口元に微笑を浮かべ、手塚を見下ろしていた。
 どこか楽しげな乾の様子に、手塚は凍りついたように動けなくなった。
「何の真似って……決まってるじゃない?」
 乾がベッドに乗ってくる。ゆっくりと眼鏡をはずして、手塚に顔を寄せてくる乾の目は、笑ってはいなかった。
「   」
「……なっ!」
 耳に低く囁かれた言葉に、手塚はすくみあがった。吐息混じりに注ぎ込まれた声は甘く、しかし囁いたその言葉はあまりに残酷で。手塚は頭が真っ白になった。
「手塚……」
 名前を呼ぶその声は、甘い毒のように耳から背中へと滴り落ちていく。
「君は、誰にも渡さない」
 誰がいつ、お前のものになったんだ!?
 とっさに異論を唱えようとした口は、乾の唇に塞がれてしまった。



 歯列を割って乾の舌が忍び込んでくる。口内を弄られて背中を駆け抜けた快感に、どうにかして抵抗しようと振り上げた腕から、力が抜けた。
「うっ……んんっ」
 初めて経験する、荒々しくて深いキスに、頭がぼうっとしびれてくる。
 手塚が抵抗せずにキスを受け入れていることに気を良くしたのか、乾は上半身で手塚を壁に押さえつけるようにしたままで、右手をシャツの内側へ滑り込ませてきた。
「……やめっ……」
 息を継ぐ合間に言いかけた拒絶も、再び乾に飲み込まれる。
 乾は平らな手塚の胸に手を這わせ、胸の突起を指で何度か転がして、器用にシャツのボタンを外していった。
 やめろ、と口で言えない代わりにうめき声をあげる手塚のささやかな抵抗は、あっさり無視されてボタンが全て外される。そしてようやく長いキスから手塚を解放して、乾は手塚を強く抱き寄せた。 シャツをはだけられた裸の胸が、乾のTシャツに触れる。薄い布一枚を隔てた乾の胸が大きく上下し、鼓動が速くなっているのを手塚は直に感じとっていた。
「手塚」
 荒い息を継ぎながら手塚を呼んだ乾の唇が、耳朶に軽く噛み付いた。そのまま唇と舌が、顎のラインを辿って首へと降りてくる。
「あっ……」
 越前がキスマークをつけた場所を吸われて、むずむずとくすぐったいような感覚に、手塚は思わずのけぞった。そんな手塚の反応を楽しむように、乾はその場所へ軽いキスを繰り返す。
「ごめんね、手塚。でも、こうしておかないと、君は逃げてしまうからね」
 そういうと、乾は手塚のシャツをつかんで一気に引き下ろした。
「乾っ!」
 上半身を裸に剥かれた手塚の声を無視して、乾はシャツを手首まで引き下ろしたところで器用に結び、手塚の腕を後ろ手に拘束した。
「怖い、手塚?」
 どこか楽しげに尋ねてくる乾を、手塚は睨みつけた。が、そんな手塚の表情も、乾をいっそう喜ばせるだけだった。
「そんな状態で睨みつけても、効果ないよ。おとなしくしててくれたら、今までに感じたことないくらい、気持ちよくさせてあげる」
 乾の手が、手塚の眼鏡を外す。眼鏡がなくなると、視界がぼやけてはっきりしない。すぐ側にいる乾の顔だけが、はっきり見える。
 そのまま乾はゆっくり顔を近づけてきて、もう一度手塚に口づけた。今度は優しく、手塚を労わるように、触れるだけのキスを数回繰り返して、舌を忍び込ませてきた。
 壁と乾に挟まれて、腕を拘束された体は、抵抗する術を失ってしまっている。
 手塚の唇を解放した乾は、そのまま平らな胸にしゃぶりついてきた。
「あっ…!」
 柔らかい唇と、湿った舌の感触に、手塚は思わず声をあげた。片方の乳首を弄んでいた乾の手が、手塚の太ももを割る。ズボンの上から、最も敏感な場所に触れられて、手塚の体が跳ねた。
「やめ…触るなっ」
「手塚、固くなってる」
「あっ!」
 指で軽く撫でられただけで、声があがった。布の上から与えられる愛撫がもどかしくて、誰にも触れられたことのない場所に触れられているという恥ずかしさで、手塚は泣き出していた。
「乾……っ」

「もうやめてほしい? それとも、もっとさわってほしい?」

 反射的に閉じようとする手塚の足を、乾は腕で押さえつけ、無理やり体を割り込ませてきた。そしてただ首を横に振るだけで何も答えない手塚の頬に、唇を寄せた。
「でも、このままじゃつらいだろ?」
 手塚の反応を拒絶と受け取った乾が、諭すように優しく囁く。囁いて、乾はズボンのベルトを外し、ファスナーを下ろし、下着に手をもぐりこませて直接手塚に触れてきた。
「やあっ……!」
「……熱くなってる」
 乾の手に握りこまれて、指で擦られて。性急に追い立てられた手塚は、羞恥心を感じる余裕もなく、乾の手に欲望を解放していた。



 乾が動くたびに、一つに繋がった場所から、全身へと痛みが走った。  抑えようとして抑えきれなかった、悲鳴に似た嬌声が上がる。 その声に、ベッドのきしみと、粘液が絡まる音が重なって部屋に響いていた。
「あっ……くぅっ!」
 自由になった両手で、手塚に覆いかぶさってくる裸の胸を押し返そうと試みたが、彼はびくともしなかった。力の入らない手塚の抵抗を、むしろ楽しむかのように腰を突き上げてきた。
「そんなに締めるなよ、手塚」
「やっ…」
 深く突き入れられて、手塚の体が跳ねる。
「まだ、痛い?」
 苦痛で歪む手塚の頬を撫でながら、彼は優しく囁きかけてきた。
「ごめんね、手塚。でも、君を誰にも渡したくないんだ」
「どうして、こんな……あっ!」
 乾が自分のものをゆっくりと引き抜いて、またゆっくりと突き入れる。それでも動きが比較的スムーズなのは、一度乾が手塚の中で欲望を吐き出しているからだ。
 手と口で追い立てられて、達して弛緩した隙をついて、乾は手塚が最も触れてほしくない部分に指と舌を這わせてきた。手塚を傷つけないように、と時間をかけて馴らし、少しずつゆっくりと乾は体を進めてきた。それでも、初めて猛った男を受け入れる痛みは、手塚の想像を越えていた。
 痛みと恥ずかしさで、わけもわからずただ乾を締めつけて、その結果。乾はあっけなく果ててしまった。
 しかし、今は。
 一度欲望を吐き出して余裕ができた乾は、腰を使って手塚を思うままに揺さぶっている。
「ここまでされて、まだわからない?」
「あ…っ、や……」
 熱く充実したもので内側を擦られて、痛みと同時にムズムズするような、中途半端な刺激が背中を駆け上がってきた。
「んっ…い、乾…」
 泣きたくなるような、わけのわからない感覚に、手塚は体を震わせて乾を呼んだ。
「手塚…?」
 ぎゅう、と最も敏感な場所を締めつけられて、乾は手塚の変化を感じ取っていた。痛みだけでなく、別の何かが手塚を支配しようとしている。
「ここ、イイの?」
「あっ、あ…!」
 乾が一度奥まで突き入れたかと思うと、浅く腰を使って擦りつけるようにする。手塚は小さく悲鳴をあげて、汗に濡れた乾の背中に腕を回して、しがみついていた。苦痛にゆがんでいた顔が、蕩けるような表情に変わっていくのを、乾は至近距離で見ていた。
「ここ、擦られると気持ちいいんだ…手塚」

 やっと見つけた。

 探り当てた場所を突き上げながら、乾は微笑した。
「あ、あっ…い、乾っ!」
 手塚が感じるポイントを確実に攻めてくる乾に、手塚は声を抑えきれなかった。痛みからすりかわった快楽にとらわれて、乾の腰に足を絡める。
「もっと、奥までほしい?」
 ぐい、と乾が手塚の腰を持ち上げて、自分のひざの上にずりあげた。
「ああっ!」
 乾を根元まで受け入れて、奥の奥まで突かれて、手塚は背中をしならせた。同時に、受け入れている乾自身を締めつける。もともときつい場所いっぱいに押し込めているものを、さらにきつく締められて、乾は少しの痛みを伴った快感にうめいた。
「うっ…手塚、そんなにねだらないで」
「ちがっ…あ、あっ」
「ちゃんとイカせてあげるから」
「あ…っ、やぁっ…」
 いやいやをするように、手塚が首を横に振った。パサッ、とサラサラの髪が、汗に濡れた顔に張りつくのを見て、乾は頬に手を伸ばして髪を払った。そのまま手塚の額を撫でて、口づける。
 その反動でぐい、と奥まで突き入れられて、手塚の体が快感を訴えた。
「好きだよ、手塚。ずっとこうしたかった」
 今更のように告げて、乾は激しく腰を使い始めた。同時に下へ下りてきた乾の手で、前をこすられて嬌声が漏れる。
「あ、あっ…あ…」
 乾に握りこまれて、前も後ろも同時に擦られて、煽られて、手塚は強烈な絶頂感の中で乾の手を汚した。 ほぼ同時に、手塚にキツく締めつけられた乾も、手塚の中に再び欲望を吐き出していた。

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