かんっぺきな安倍晴明!
以前から夢枕漠さんの「陰陽師」シリーズが好きで、実写化するなら絶対映画で、主演は野村萬斎さんがいい!と思っていた結月にとって、ようやく実現してくれた映画でした。原作者である夢枕漠氏も、実写でやるなら野村萬斎がいい、と思いつつ書いていたらしく、まさにピッタリの配役でした。
さすがに狂言師として幼少の頃から鍛えてこられただけあって、野村萬斎の晴明は完璧です。走っても上体が揺れないし、扇を開く仕草も決まっているし、謡いつつ舞うなど、他の役者には絶対真似できない演技も見せてくれています。
そして、晴明と対決する真田広之がいい! 本人も日舞の名取であり、またずっとアクションスターとして時代劇などにも出演なさってきただけあって、殺陣がとても見ごたえのある殺陣になっています。拝見していて、とても楽しんで悪役を演じておられるような、ノッてるな~、真田さん!といった感じでした。
また、晴明と共に都を守ることになる源博雅役の伊藤英明も、博雅のすっとぼけた人の好い感じがよく出ていて、キリッとした野村晴明との対比が見事でした。夢枕氏が脚本に監修したということもあり、晴明と博雅の掛け合いは原作そのままの雰囲気です。欲を言えば、一応博雅は殿上人なので、もうちょっと高貴な感じがしてもいいような…。
小泉今日子もとてもいい女ですし、実写モノの晴明話としては、やはり一番の出来ではないか、と結月は思います。…贔屓の引き倒しかな?(笑)