ハリーポッターと秘密の部屋

ハリーポッターと秘密の部屋

koku04.JPG 2002年11月公開  161分  監督:クリス・コロンバス  原作:J・K・ローリング
<出演> ハリー・ポッター:ダニエル・ラドクリフ   ロン:ルパート・グリント  ハーマイオニー:エマ・ワトソン   ダンブルドア校長:リチャード・ハリス  マクゴガナル先生:マギー・スミス   ハグリッド:ロビー・コルトレーン  ロックハート先生:ケネス・ブラナー
<物語>
 ホグワーツのどこかにあると言われる「秘密の部屋」。
 その扉が50年ぶりに開かれた時、おそるべき冒険が始まった。
 「名前を呼んではいけないあの人」、ヴォルデモート。
 ハリーは何とか勝利したが、強大なその力を完全に断ち切ることはできなかった。
 ハリーは、両親を殺した憎むべき闇の魔法使いヴォルデモートと自分の間に、不気味な共通点があることに気づいてしまう。壁に書かれた不吉な血文字、石にされた生徒たち、そしてハリーだけに聞こえる声……。
 次々と起こる不可解で残酷な事件の謎を解こうと、ハリーがたどり着いた「秘密の部屋」。
 そこに眠っていたのは、ハリー自身の過去に関する謎だった……!

 前作よりさらに磨きがかかって、ハリーがスクリーンに帰ってきた!
 「賢者の石」よりダークでミステリアスなストーリーの「秘密の部屋」。イントロダクション的な要素が強い「賢者の石」と比べると、断然面白くなっています。
 最初の、屋敷しもべ妖精ドビーが現れた時からドキドキ感は止まりません。大きな瞳、自分で自分にお仕置きをしてしまうかわいそうなんだけどかわいい様子、ハリーの前で魔法を使うときのいたずらっ子のような表情。もう、そのままお持ち帰りしてしまいたいくらいかわいいのですっ!
 そして、ウィーズリー家からロンや双子のフレッド&ジョージが迎えに来た時にまたドキドキ。
 9と3/4ホームに入れなかった時にはハラハラしつつも、カートごとひっくり返るハリーとロンに思わず大笑い。これを見たら、次に来る空飛ぶ車への期待が膨らみます。なので、車で空を飛んでいくシーンで「きたきた~♪」と思わず小さく拍手。後ろからホグワーツ特急に追いかけられるシーンは、ドキドキものです。
 しかし、日本人の哀しさか、それともCMに毒されすぎている哀しさか。
 車から投げ出されそうになるハリーを、左腕一本で引き上げようとするロンの様子を見て、思わず
「ファイトー! いっぱぁ~つ!」
 と心の中で思ってしまうのは、私だけでしょうか(笑)。
 やっとのことでホグワーツに着いたかと思えば、車のエンジンが悲鳴を上げて、敷地内に植えられた暴れ柳に激突! その暴れ柳がこれまたすごい。原作を読んだ時には、小枝がピシパシ状態なのかと思いきや、そんなかわいらしいものではありませんでした(苦笑)。ドガーン、ズガーン、ボコッ、バコッ、バターン! うわぁぁ~~~!と思わず自分たちがハリーやロンになって襲われているかのような錯覚に陥ってしまう迫力でした。

 …とまぁ、出だしからすごいのです、この「秘密の部屋」。
 ブラッジャーに追い掛け回されつつもスニッチを捕まえるクィディッチシーン。
 スネイプとロックハート&マルフォイとハリーの対決が見られる決闘クラブ。
 ポリジュース薬で変身するシーン。
 そして、ホグワーツのどこかにある“秘密の部屋”にまつわるミステリー。
 秘密の部屋で起こる事件と、ハリーとあの人の驚くべき関係。
 最初から最後まで、ドキドキし通しで、息つく暇もなければ、優雅にポップコーンをつまんでいる余裕もありません。なにせ、話のあちこちが全て、ラストへの伏線になっているのですから。

 今回は、ハーマイオニーが途中で戦線離脱してしまうこともあって(といっても、解決の鍵はバッチリ彼女が握っているわけですが)、ロンが大活躍してくれます。ナメクジ吐いたり、薬で変身したり、大の苦手のクモを相手にパニくったり、妹を助けに立ち上がったり。演じているルパート君も、前作以上にロン役がハマッていて、まさにロンそのもの、といった様子なので見ていて本当に楽しいです。
 「秘密の部屋」はハリーだけでなく、ロンやマルフォイも声変わりしていて、前作より精悍になっているので、より彼らが2年生になって成長している様子が伺えます。使える呪文も増えてますし。

 何故か毎年変わる「闇の魔術の防御術」教師、今回はケネス・ブラナー演じるキザで自信家なんだけどちょっと(かなり?)情けないロックハート先生です。自信家なクセに魔法はかなりあやしくて、去り際もかなり情けないんですが、どこか憎めないんですよねぇ、この先生は。ハリーとロン、二人に杖で脅されるあたりは、かなり情けない(苦笑)。しかし、エンディングを最後まで観た人には、面白いオチが待っていますよ。トイレを数分我慢して、エンディングは最後まできっちり観るべし。

 前作は、あえて原作を読まずに観に行きましたが、「秘密の部屋」に関しては、どっぷりハマッて原作をじっくり読んで、期待しまくって観に行きました。それも、公開まで待ちきれなくて、先行上映で。しかし、その期待をいい意味で裏切ってくれて、期待以上に楽しませてくれる内容でした。
 映像の迫力も、アクションも、もちろん前作以上! 原作を読まなくてももちろん面白い「秘密の部屋」ですが、原作を読んでいるとより話がわかるので、10倍楽しくなります。
 ぜひ、原作を読んでから観に行くことをオススメします。そして、どこが違っているか探してみるのも、これまた一興、なのではないでしょうか。
 そして、ラストではやっぱり「う~ん、良かったねぇ~。今年も1年無事に終わったねぇ~」とハッピー・エンドでウルウルなのです。気持ちよく笑って、心からハラハラドキドキして、最後はウルウル。
 感情的にはとても忙しい、2時間40分があっという間の映画です。

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