主よ、人の望みの喜びよ~おまけ編
~From:松本るり様
おまけページで御座います。
現代の皆様で御座います。(乾さん所在は勿論、立海大附属です)
柳 「貞治…貞治…起きろ、いい加減にしろ…貞治、」
乾 「んっ…何…?」
幸村 「図書館で寝るのは不味いよ、乾」
真田 「疲れでも溜まっているのか…?確かに地区大会・県大会とスケジュール的にかなり機密な物だったが…少したるんでいないか…お前は」
柳生 「しかし、彼の働きを考えれば少し位考慮の対象にしてあげても宜しいのでは…」
仁王 「取り敢えず起きんしゃい、ほれ…」
乾 「何か変な夢見たな……んっ?何か握ってる…何だこれ…?」
柳 「指輪か?どうしたんだ…それ…」
乾 「…分からない…ただ、誰から貰ったような気がする…又、逢えるように……」
一同 「どうした!?」
乾 「えっ?何が……」
柳 「(乾の頬に触れる)泣いているぞ…何処か痛むのか?」
乾 「……えっ…あっ…何…どう…して……」
柳 「…貞治、泣かなくていい…俺が傍にいてやるから……」
仁王 「ほれ、もう泣きやみんしゃい…」
柳生 「大丈夫ですよ…ほら、落ち着いて…大丈夫ですから……」
幸村 「それとも夢見が悪かったのか?」
真田 「こんな処で寝るからからだ……馬鹿者が…(そう言いながら乾の頭を撫でてやる)」
乾 「大丈夫…御免…顔…洗ってくるよ…」
柳 「一緒に行こう」
仁王 「過保護じゃの~」
柳 「今の此奴を放っておくと顔を洗いながらも眠りそうだからな」
乾 「眠らないよ!!もぉ~」
柳 「本当にどうしたんだ…それにこの指輪…誰から貰ったんだ…」
乾 「うん…よく分からないんだけど、夢の中で俺にそれをくれた人…かな?」
柳 「それでは答えに成っていないが?」
乾 「名前を忘れちゃったんだよ……ただ、」
柳 「ただ?何だ…」
乾 「その人…凄く蓮二に似たんだ…それしか覚えてないけど…ただ、凄く…」
柳 「そうか…」
乾 「…蓮二がその指輪…持ってて…蓮二が持ってのが凄く自然な感じがするんだ…どうしてだかは、分からないけれど…」
柳 「分かったこれは俺が預かる…それでいいんだな?」
乾 「もう泣くな…」
柳生 「乾君…大丈夫でしょうか……」
仁王 「大丈夫じゃろ?彼奴、そう言うところはキチンとしとるし…」
幸村 「ああ、それほど心配は要らないと思うよ?」
真田 「蓮二が傍に付いているからな」
柳生 「乾君…こんな本を枕代わりにしたりするから…」
幸村 「そんなに悲劇的な話なの…それ」
柳生 「いえ…ただ其処に辿り着くまでに皇太子を庇い王女は殺され、それを目にした皇太子も自分の首を…但し、最期は生き返るのですが…」
幸村 「ふ~ん、読んでみたいな…それ」
乾 「読むんだったら、俺はもう読んだから」
柳生 「では、部長の次にでも貸して戴けますか」
幸村 「ああ」
仁王 「おもろかったら回してくれな~」
真田 「困った物だな…一つの本で此処まで…」
幸村 「でも内容気にならない?」
真田 「うっ…」
『閉館時間になりました、残っている方は速やかに…』
柳 「御開だな、今日の勉強会は」
乾 「結局、古文の課題進まなかった…」
柳 「寝たりするからだろう?しょがない奴だな…家で教えてやるから帰りに寄っていくといい」
乾 「うっ…だって、凄く…えっ?…」
柳 「どうした?早く来い、置いていくぞ!」
乾 「うん!…気のせい、だよね」
『その方を大事に思って…出会えた事は偶然じゃないから…』